水先艇乗組員の仕事

水先人の命を守りその使命を支える仕事

伊良湖パイロットボートの事業である水先人送迎は伊勢湾の湾口部において乗下船するパイロットを送迎する業務です。

パイロットボート乗組員の仕事内容には船を操縦する船長としての仕事以外にも、メンテナンス・救助訓練など多岐にわたります。

「水先艇乗組員の仕事」では船長の仕事の流れを追って仕事内容の紹介をいたします。

水先艇乗組員の仕事

水先人送迎の流れ:船長編

1 出勤

水先艇(パイロットボート)の師崎港基地へ出勤します。

師崎港より直接湾口部へ向かう場合と、一旦、渥美半島先端の伊良湖港(中継基地)へ向かう場合の二通りがあります。

伊良湖港 パイロットボート基地
伊良湖港 パイロットボート基地


2 出航前整備点検

出航前に船の整備点検を行い、機械に異常がないかを確認します。

また、操舵室の操縦装置のチェックも行い、本日入出航する大型船の予定とこれに合わせた水先艇の配船を確認します。

エンジンルームの点検
エンジンルームの点検

操縦装置の点検
操縦装置の点検


3 目視点検

船のエンジンを暖めるための暖機運転を行います。

その間に船の主要な部分を目視で指差して点検をし、異常がないことを確認します。

救命器具の点検
救命器具の点検

出航準備作業
出航準備作業


4 出航

パイロットボートのエンジンが暖まり、水先人の乗船が完了したらいよいよ基地からの出航となります。

スケジュールによっては一度に複数人の水先人が乗船することがあります。

出航


5 パイロットボートの操船

いかなる天候であっても安全に水先人を本船まで送り届けるように慎重に船を操船し、本船を目指し2人体制にてパイロットステーション(水先人乗下船ポイント)へと向かいます。

パイロットボートの操船
パイロットボートの操船

本船を目指し2人体制にて操船
本船を目指し2人体制にて操船


6 本船への接近

本船に連絡を取り乗船絃を伝えます。
乗り込む船舶へ回り込むように乗船絃に後ろから近づき、パイロットラダーにアプローチしていきます。

乗船絃を伝達
乗船絃を伝達

乗船絃位置を確認し本船に接近
風浪やうねりを本船の船体でさえぎり、
後方から本船に接近

パイロットラダーにアプローチ
パイロットラダーにアプローチ


7 水先人が本船に乗船

本船に横付けし、水先人の乗船を見守ります。

水先人の乗船完了後は、一度に複数の水先人の送迎を行う場合もあるため、次の船舶へ向かう事もあります。

水先人が本船に乗船

水先人が本船に乗船


8 基地への帰投

全ての水先人の乗船が完了したら、本船から離れ基地へ帰投します。

帰投時の操縦は新人訓練のために交代で行う場合もあります。

水先人の乗船を終え本船から離れる
水先人の乗船を終え本船から離れる

基地への帰投
基地への帰投


9 到着・パイロットボート係留

基地へ到着しパイロットボートを係留します。

伊勢三河湾を入出航する船舶のうち水先人を必要とする船舶は、平均して1日20~30隻ほどあり、水先人を送迎した後は次の業務のための出航に備えます。

※水先艇の日常的なメインテナンスやオイル交換なども大切な業務です。

パイロットボートを係留
パイロットボートを係留

師崎港 パイロットボート基地
師崎港 パイロットボート基地


救助訓練の実施

水先人や乗組員が誤って海に落ちた場合を想定して救助訓練を行っております。

実際に起こる事態を想定して海面からの救助活動を始め、人工呼吸やAEDの操作方法などさまざまな角度から、不測の事態を想定した訓練をおこなっております。

救助訓練

海面からの救助活動

救助訓練の実施

人工呼吸やAEDの操作方法